竜馬がゆく - 幕末小説の最高傑作

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)
竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎(著)


竜馬はなんの権力も持たない「個人」でした。

一介の浪人です。


彼は歴史の舞台にさっそうと登場しました。

名もない一個人でありながら、天下の大物政治家を相手に夢を語り、持論を展開し、行動しました。


竜馬は、

・薩長同盟
・船中八策
・大政奉還

など、歴史的な大政策を次々と打ち出して、明治への扉を押し広げます。

痛快です。


地位もない。金もない。権力もない。

そんな一個人の活躍が、世の中を動かしました。

「夢と情熱があれば、世界を動かせる」

竜馬の活躍は、戦後のサラリーマンたちに夢を与えました。

そういう意味では、日本の経済成長を支えた、「歴史的な」歴史小説です。

幕末小説の金字塔とも最高傑作とも言われています。


主人公の竜馬は剣の達人です。でも、決して人を斬りません。斬り合いになったら逃げます。フットワークの軽さは一流です。

頭のフットワークも縦横無尽。固定観念にとらわれるということがありません。

この小説の魅力は、竜馬が次々と既成概念を破壊していく爽快感です。

坂本竜馬って何をした人?

と聞かれても、なかなかひと言でいい表せません。竜馬の人生がとんでもなく独創的だったからです。


竜馬は、武士であり、商人であり、革命家でした。独創的な夢を抱き、誰も歩んだことのない人生を歩みました。

夢を追うために天からもらった命。これを思い切りよく使い切って死んでいこうという気概がありました。


日本は坂本竜馬を生んだ国です。

かつてこの国には竜馬がいた、というそのことだけでも、僕は日本人であることを誇りに思います。

司馬遼太郎は歴史に埋もれかけた坂本龍馬という人物を発掘してくれました。そして龍馬を竜馬としてよみがえらせ、この本を書きあげました。

『竜馬がゆく』が書かれた後の時代に生まれて良かったです。この名作を読むことができて幸せです。

at 12:32, あーりー, 司馬遼太郎

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功名が辻 - 司馬 遼太郎(著)

功名が辻〈1〉 (文春文庫)
功名が辻〈1〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎(著)

仲間由紀恵上川隆也の主演で、2006年のNHK大河ドラマにもなった小説ですね。信長、秀吉、家康の3人に仕えた戦国武将・山内一豊と、それを支えた妻・千代の物語です。

織田家に仕える山内一豊は知行わずか50石。「ぼろぼろ伊右衛門」と異名をとるさえない風体の男です。そんな彼が、妻の支えと自身の奮戦で功名を重ね、やがて土佐24万石の国主に出世していきます。

ふだんは見ることができない歴史の舞台裏を特別に覗かせてもらっているような気持ちになりました。信長秀吉家康。彼らは歴史の表舞台で華々しく活躍して、その名前も歴史の教科書にしっかりと刻まれています。彼らは傑物です。でも傑物が歴史の舞台を縦横無尽に暴れまわるためには、それを支えるたくさんの「普通の人々」の存在が必要でした。

信長、秀吉、家康たちがスポットライトを浴びて古い歴史を破壊し、新しい歴史を創造していったそのすぐ横で、英雄でも天才でもない一兵士、一武将たちはどんなふうに生きていたのか。傑物たちの一挙一動に翻弄されながら、「普通の人々」はどんな知恵で乱世を生き抜いたのか。『功名が辻』にはその答えがありました。

一豊はスーパーヒーローではありません。等身大の人間臭さが魅力です。「男が、男であることを表現するものは、功名しかない」と彼は信じています。しかし司馬遼太郎は「この哲学は、いつか崩れるときがくる」と書き、一豊の信念がゆらぐことを予言しています。

信長、秀吉、家康といった男たちは、自分の生き方に何か確固としたものをもっていて、自分自身の決めた手順をまい進する「芯」があるように思えます。でも一豊にはそれがありません。一途に功名を追ってはみても、ときにその信念はゆらぎます。はたして自分の生き方は正しいのか、と。

あちこち壁にぶつかって迷いながらも二人三脚でゴールを目指す。けしてスマートではないけれど、その不器用さがかえって愛らしい。そんな夫婦の物語です。読後感に特徴があります。この苦味が、歴史の苦味なのかも知れない、と思いました。

功名が辻〈1〉 (文春文庫)
功名が辻〈2〉 (文春文庫)
功名が辻〈3〉 (文春文庫)
功名が辻〈4〉 (文春文庫)

at 16:20, あーりー, 司馬遼太郎

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