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星の王子さまの愛人力

使える読書 (朝日新書)
使える読書 (朝日新書)
斎藤 孝(著)


書評集です。

著者の斎藤さんは「キーワード探し」の達人です。

膨大な日本語のコトバの中から、本の性質をひとことであらわすピッタリのキーワードを探し出します。その嗅覚は、まるで腕利きのトレジャーハンターです。

例えば、翻訳家・倉橋由美子さんの遺作となった『新訳 星の王子さま』には、愛人力というキーワードを与えています。

これまで子供向けのお話とされてきた『星の王子さま』には、じつは愛人問題をあつかったシーンがある、と斎藤さんは書いています。それは、狐と王子さまの会話。

斎藤さんは次のフレーズを引用しています。

あんたは自分が飼いならしたものに対してどこまでも責任がある。

あんたはあんたのバラに責任がある。

たしかに、愛人力というキーワードを頭に入れて読むと、これまでとはまったく違った印象を受けそうなフレーズです。話の流れも、愛人問題を匂わせます。

『星の王子さま』の著者・サン=テグジュペリは、実際に愛人問題で悩んだ経験があるそうです。そう考えると、愛人力というキーワードに説得力が出てきます。

こんなふうに本書では、作品の内面に深く切り込んだキーワードとともに、たくさんの本が紹介されています。

取り上げられている本は『星の王子さま』のほかに、

ダ・ヴィンチ・コード
チーム・バチスタの栄光
容疑者Xの献身
ゲド戦記
ローマ人の物語(カエサル編)

など、計52冊です。

at 07:06, あーりー, 書籍全般

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