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三谷幸喜のありふれた生活

三谷幸喜のエッセイ集です。

日常のなんでもない風景も、三谷幸喜の筆にかかると、こうも特別なシーンに変わってしまうのか、と読み返すたびに感嘆しています。

三谷幸喜のありふれた生活
三谷幸喜のありふれた生活
三谷 幸喜(著)

ありふれた生活の中からたくみに「事件」をすくいあげる手腕には、いつも驚かされます。

例えば『笑ってくれよ、松たか子』。

舞台稽古での台本の読み合わせという、三谷幸喜にとっては恐らく何でもない普通の日常が、うまく「事件」として取り上げられています。

僕の場合、だいたい一ページに二カ所の割合で、笑える台詞を入れているが、そこで俳優たちがちゃんと笑ってくれるかチェックするのだ。

しかし、松たか子だけがどうしても笑ってくれません。三谷幸喜はこう続けます。
僕はひたすら念を送り続けた。あの田村正和ですら笑った僕の念を。一度でいいから笑ってくれ。失笑でもいい、笑顔を見せてくれ。お願いだから、松たか子。

この自虐的なユーモアの世界は、三谷幸喜の独壇場ですね。さりげなく田村正和の名前を出すあたり、「古畑の読み合わせでも同じ窮地に立たされたことがあったのか」と、思わず笑ってしまいます。

エッセイには、松たか子さんのほかにも、たくさんの芸能人が登場します。香取慎吾、山本耕史、八嶋智人、鈴木京香、ココリコ田中直樹、マラソンの高橋尚子、ヤクルトの古田、田中邦衛、久米宏、戸田恵子、真田広之、布施明。ほか多数。華やかなメンバーです。

本書には、なんでもない日常を三谷幸喜ならではの視点で面白く見せてもらえるというお得感があります。そしてもうひとつ、三谷幸喜本人の日常を通して、自然とほかの芸能人たちの「ありふれた生活」も覗けてしまうという特典もついています。

<目次>
僕は愉快な人間ではない
ゴミ袋抱え、立ち尽くす朝
笑ってくれよ、松たか子
執筆の苦悩、悪夢見て絶叫
制作発表は何度やってもつらい
放っておいた虫歯の奇襲
稽古場に久米宏がやってきた
真田広之の知られざる一面
ヤクルト古田と絶妙のバッテリー
ビリー・ワイルダーに会いに行く
邦衛さん、この愛すべき人
涙、また涙の田中直樹さん
CM出演で俳優の苦労実感
ほか

at 15:49, あーりー, 書籍全般

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