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英雄三国志 1巻 - 義軍立つ

読んでいて「疾駆」という言葉が頭に浮かびました。展開にスピード感があるんです。物語が広大な大陸を「疾駆」します。活字を目で追うごとに、頬に風を感じるような気がしました。

英雄三国志〈1〉義軍立つ (集英社文庫)
英雄三国志〈1〉義軍立つ (集英社文庫)
柴田 錬三郎(著)

手に取ったときの、ずっしりとした重量感がたまりません。たっぷり650ページ以上。厚さを測ると約2.5センチありました。いいですね。

読んでも読んでも、果てしなく三国志の世界が続きます。しあわせです。のびのびと手足をのばして読書の中にくつろげる安心感があります。

数ある三国志小説の中で、今回この柴錬三国志を読もうと思った理由はひとつ。冒頭です。

おどろいたことであった。
人間が、空から降って来たのである。

人間が空から降ってきて、地べたに叩きつけられる。その様子を、劉備が平然と見ている。そういう衝撃的なシーンから物語は始まります。インパクトのある書き出しでした。

書き出しでこれだけ惹き付けてくれるのだから、きっと面白い小説に違いない。ある程度知ってしまっている三国志の世界を、僕が今まで見たことのない筆さばきで刺激的に描き出してくれるに違いない。そう期待して本書を購入しました。

期待以上でした。これが噂の柴錬三国志なんですね。1巻を読み終えて、新鮮な世界観に脳がしびれています。この三国志を今まで読まずにいて、しあわせだったと思います。これからたっぷり柴錬三国志に没頭できる楽しみがあります。

柴錬三国志はいろいろな仕掛けや演出で僕たちを楽しませてくれます。趙雲や諸葛亮の初登場シーンには不意をつかれました。

王允の計画に身をささげた悲劇の美女・貂蝉を、あえて残忍な素質を秘めた毒婦として描く視点にも衝撃を受けました。

椰經悗寮錣い任蓮敵将の華雄を討つ役割を関羽と張飛がクジ引きで決めます。思わず笑ってしまいました。

各所に織り込まれた独特の演出は、まるで「疾駆」する馬に鞭を入れるように、物語に大きなはずみをつけてくれます。

1巻では黄巾の乱、董卓の暴政、孫堅の死、曹操の台頭が描かれています。呂布に敗れた劉備は曹操のもとに身を寄せました。南では孫策が小覇王の名を欲しいままにしています。

英雄三国志』はまだ始まったばかりです。いくら「疾駆」しても、まだまだ終わる心配はありません。次のページをめくる楽しみをあと何回、何千回味わえるのかと思うと嬉しくなります。

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at 09:03, あーりー, 歴史小説

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