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最後の伊賀者 - 司馬遼太郎(著)

小さい頃、よく忍者ごっこをしました。ティッシュを床に敷き詰めて、その上を破らないように走る訓練もやってみたことがあります。親に怒られました。

新装版  最後の伊賀者 (講談社文庫)
新装版 最後の伊賀者 (講談社文庫)
司馬 遼太郎(著)

忍者といえば服部半蔵が有名です。半蔵には正就という息子がいました。その正就の没落を描いた短編小説が『最後の伊賀者』です。

正就は偉大な父の死後、そのあとを継いで忍者たちのリーダーにおさまります。しかし、ひと癖もふた癖もある忍者たちを服従させるのは、容易なことではありませんでした。

冒頭。正就は小姓に足の爪を切らせています。小姓があやまって爪を深く切ってしまうと、正就は怒って小姓の腹を蹴り飛ばし、「舐めろ」と言って深爪した足の指を小姓に舐めさせます。

この小説をはじめて読んだのはもうずいぶん前のことですが、最初に読んだときはこのシーンのおかげで「正就は悪いやつ」という印象をもったような気がします。正就と忍者が対立したときには、正就に反発する忍者たちのほうを応援していたと思います。

でも最近読み返してみて、まったく違う感想を持ちました。

戦国時代が終わって徳川の支配が固まりつつある時代の話です。世の中が大きく変わろうとしています。歴史的な変化の中で、それぞれの立場が違えば利害がぶつかります。

正就と忍者たち、どちらが悪いわけでもない。立場が違うだけなんだ。と、それはわかっていつつ、なんだか正就に同情してしまいました。

at 17:33, あーりー, 司馬遼太郎

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