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機動戦士ガンダム語録

ガンダムが好きです。でも初めは嫌いでした。幼心に強烈な違和感を覚えました。

機動戦士ガンダム語録 (永遠のガンダムシリーズ)
機動戦士ガンダム語録 (永遠のガンダムシリーズ)

これまで見てきたロボットアニメとは何か違って、気持が悪かったんです。

これまで見てきたロボットアニメとは何か違う、と感じたのも無理のない話で、大人になった今ならよくわかりますが、ガンダムは「ロボットアニメ」ではなく世界初の「モビルスーツアニメ」でした。ロボットではなくモビルスーツ。これは重要です。

ガンダムの何がそんなに気持ち悪かったのか。幼い僕は「ふくらはぎ」だと考えました。ふくらはぎ。ガンダムのふくらはぎです。妙に丸みをおびた、人間くさいふくらはぎ。手で撫でるのにちょうど良さそうな柔らかい立体感。触ると体温が伝わってきそうでした。それがとてもロボットとは思えなくて、嫌悪感を覚えました。

でも、もしかすると僕はガンダムのふくらはぎではなく、『ガンダム』という作品に流れている人間くさい体温そのものに違和感を覚えていたのかも知れない、と最近思うようになりました。

登場人物の心が繊細にゆれうごく人間ドラマは、勧善懲悪のロボットアニメを見慣れていた僕にとって一種の恐怖でした。人間の弱さやズルさや心の葛藤など、見たくないものをむりやり見せられるかも知れないという恐怖です。

といっても、幼い頃の僕自身がこうしたドロ臭さに対する恐れをしっかり自覚していたわけではありません。何だかわからないけど気持ち悪い、という漠然とした抵抗感を覚えていたに過ぎません。

僕はこの恐怖をどう表現していいかわかりませんでした。自分が恐怖を感じていることすら、理解していませんでした。だからこそ、「ガンダムのふくらはぎが気持ち悪い」という言い方でしか違和感を表現できなかったのだと思います。

今、この恐怖は魅力に変わっています。大人になったんです。苦いビールも、からいキムチも美味しいと思うようになりました。

機動戦士ガンダム語録』は、1979年に放送されたガンダムの記念すべき第一作目『ファースト』の名言集です。人間の弱さやズルさや心の葛藤。こうした魅力がセリフの中に凝縮されています。

at 09:48, あーりー, 書籍全般

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