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歳月 - 司馬遼太郎とシャア・アズナブル

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歳月〈上〉 (講談社文庫) 歳月〈下〉 (講談社文庫)
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歳月〈下〉 (講談社文庫)
司馬 遼太郎(著)

反乱。

僕は子供のころ、反乱を起こすことに憧れていました。理想のために立ち上がってひと暴れする華やかさ。そういうのが好きでした。でも、とくに何か特別な思想をもっていたわけでは全然ありません。

ただ単に当時公開された映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のシャア・アズナブルに憧れていただけだったのだと思います。念のためもう一度言わせて頂きますが、子供の頃の話です。

さて。

司馬遼太郎の『歳月』です。佐賀の乱で歴史に名を残した江藤新平が主人公の小説です。

江藤新平は幕末から明治にかけての政治家で、じつにスリリングな生き方をした人物です。

彼は九州・佐賀藩の人間です。幕末の風雲を観察するため、脱藩という大罪を犯して京にのぼり、若き日の桂小五郎(のちの木戸孝允)や伊藤俊輔(のちの伊藤博文)と会います。

幕末の京都には、全国から優秀な人材が集まっていました。しかし江藤は思います。

「この江藤新平に及ぶものはおらぬ」

京都に見切りをつけた江藤は、佐賀藩に戻ることにしますが、伊藤俊輔に引きとめられます。一度脱藩した身である以上、佐賀に戻れば死が待っているからです。それでも江藤は帰るといい張ります。

江藤は、ある秘策をもっていました。このピンチをチャンスに変える秘策です。彼は一世一代の賭けに出て、一気に権力の座へ近づこうとします。

江藤はとても頭のいい男です。絶体絶命の中にも希望を見つけます。進んで虎穴に入って、大きく飛躍することを望みます。

「江藤新平、あれはおどろいた才物だよ」

とは、勝海舟の言葉です。あまり人を褒めない勝がこうまで言っているわけですが、つづきがあります。

「ピリピリしておって、じつにあぶないよ」

江藤は傑物でした。しかし、その鋭利な頭脳が、最後には彼自身を傷つける凶器になってしまいました。


反乱にまつわる歴史小説を読むのが好きです。反乱そのものが好きというよりも、反乱に憧れていた無邪気な少年時代を懐かしみたいのかも知れません。反乱という言葉に込められたあのワクワク感を、僕の心臓は今でもはっきり覚えているようです。

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at 08:25, あーりー, 司馬遼太郎

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