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覇王の家 - 家康とナポレオンとゴッドファーザー

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覇王の家〈上〉 (新潮文庫) 覇王の家〈下〉 (新潮文庫)
覇王の家〈上〉 (新潮文庫)
覇王の家〈下〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎(著)

ゴッドファーザー。

その音楽が、頭の中に流れています。

覇王の家』は、徳川家康が主人公の歴史小説です。

これを読むと、いつもフランシス・コッポラ監督の名作『ゴッド・ファーザー』を思い出します。

ゴッドファーザー』はパート1、パート2、パート3とあります。『覇王の家』を読んで思い出すのはパート2です。パート2では、若き日のゴッド・ファーザーが描かれています。

ゴッド・ファーザーも、最初はありふれた一市民でした。それが次第に頭角をあらわして、闇社会のボスにのし上がっていきます。彼がどんなプロセスを経てゴッド・ファーザーになっていったのか、そこが面白いんです。一種の立身出世物語ですね。そういった姿が、家康と重なります。

もうひとつ。ナポレオンです。

覇王の家』を読むと、ナポレオンのことも思い出します。

ナポレオンはフランス革命の混乱から世に出て、各地で連戦連勝し、ヨーロッパのほぼ全土を支配しました。

中学生の頃の僕は、そのあざやかな英雄ぶりに魅了されて、一気にナポレオンのファンになりました。同時に、歴史の不思議さにも惹かれていきました。ひとりの人間があんなにも大きく世界に影響を与えたということが、衝撃的でした。

僕はナポレオンの最盛期よりも、どちらかというと世に出るか出ないかの若い頃に興味があります。いったいどんなふうにして世に出てきたのか、という部分が気になります。人類史にあれだけ大きな影響を与えた人物の、最初の一歩はどんなふうに踏み出されたのか、そこが醍醐味なんです。

最初の一歩。

小説『覇王の家』でも、家康の最初の一歩が描かれています。最初の一歩を踏み出した家康が数々の戦いを経て天下を統一し、没していくまでの雄大な物語です。

もともとは無力な一武将だった家康が、時流と才覚によって大物に成長する。この不思議さがたまりません。

もっといえば。

覇王の家』は、家康個人ばかりでなく、徳川家そのものの発祥にも触れています。つまり、家康の第一歩だけではなく、さらにさかのぼって徳川家の第一歩からつづられています。

徳川家の祖先も、最初は無力な存在でした。徳川家はもともと松平と名乗っていたわけですが、その祖先は三河の山奥のキコリでした。

ここに親氏(ちかうじ)という人物があらわれて、キコリ集団を戦闘員に組織し、少しずつ領土を広げていきます。

これが覇王の家の第一歩です。

この家系がやがて日本全土を支配する家になろうとは、このときはまだ誰も知らなかったわけですから、歴史は本当に面白いと思います。

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at 08:24, あーりー, 司馬遼太郎

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