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古事記の現代語訳

古事記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
古事記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

日本で一番古い書物。

とても読みやすい現代語訳でした。神々の時代から、推古天皇の時代までが大きなスケールで描かれています。

現代語訳と原文が交互に載っていて、ときどき解説が挿入されています。写真や絵もあります。

まず面白かったのは、地名の由来です。

日本各地の地名は、ヤマトタケルの冒険に由来しています。ヤマトタケルが敵を皆殺しにして、その死体を焼き払った場所は「焼津」と呼ばれるようになりました。

これが現在の焼津市だそうです。

さらに…

ヤマトタケルが歩き疲れて、足が腫れ曲がって(たぎたぎしくなって)しまった場所は「当芸(たぎ)」と呼ばれるようになりました。

これが岐阜県養老郡の当芸野(たぎの)です。

さらに、

歩き疲れて杖をついた場所は「杖衝坂(つえつきざか)」と呼ばれました。ヤマトタケルはどんどん歩き続けたので、とうとう足が三重に曲がって腫れ上がってしまいました。

これが三重県です。

あちこちにヤマトタケルの足跡が残ってるんですね。そういったことを意識して読むと、すごく楽しいです。

ヤマトタケルの冒険はスリルとアイディアに富んでいて、読む者をわくわくさせてくれます。

冒険の範囲は、西は九州から東は関東・筑波山にまでわたっています。彼は各地で敵と戦って連戦連勝します。

でも、これ、じつは悲しい戦いなんです。

ヤマトタケルは武勇に優れた男でした。そのため父から恐れられていました。父はヤマトタケルを少しでも遠ざけるために、各地に遠征させたのです。

ヤマトタケルの立場は複雑です。父のために戦い、勝てば勝つほど、なおさら父から恐れられ、疎まれる…

戦いに傷ついたヤマトタケルは、現在の三重県鈴鹿郡で力尽き、二度と帰れない故郷をなつかしみながら、ついに死んでしまいます。

ヤマトタケルの話のほかにも、

八岐大蛇(やまたのおろち)の話や、アマテラスの話、そして因幡の白ウサギの話など、たくさんの神話が載っています。

初代天皇である神武天皇の東征エピソードや、日本誕生のエピソードなど、いろいろ紹介されています。

古事記』は本来、上・中・下の3巻に分かれているそうなんですが、この現代語訳はそれらを全部まとめて1冊にしてあります。文庫なのでコンパクトで、ポケットにもすっぽり入りますから気楽ですね。


古事記』史跡案内、『古事記』通観、直系譜なども載っています。調べ物のためにほかの資料にあたらなくていいようになっています。これ1冊で十分。こうした配慮が嬉しいです。

そして。

なんといってもこの本の魅力は、読みやすさです。現代語訳がとても自然でわかりやすく書かれています。現代語訳の部分だけ、字が少し大きめということも、読みやすいポイントかも知れません。

さらに親切なことに、現代語訳も原文も、全部フリガナがついています。ですから、朗読などにもいいですね。

at 06:53, あーりー, 古典の現代語訳

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