徒然草 - 現代語訳

国語の授業で習った吉田兼好『徒然草』の現代語訳です。授業や受験勉強というプレッシャーなしで読むと、こんなに楽しいものだったんですね。

徒然草 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
徒然草 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

「人生は一点突破」というエピソードが載っています。次のような話です。

ある人が法師になろうとして、まず乗馬を習います。その理由は、仕事で出かける際、馬にうまく乗れないようでは情けないからです。次に早歌(流行歌謡)を習います。その理由は、法師でいながら酒の席で芸の一つもできないようでは評判が下がると考えたからです。

その人は熱心に稽古に励んだので、乗馬と早歌の腕はどんどん上達していきました。しかし気がついてみると、法師になるための勉強を何もしないまま年老いてしまっていました。

「この法師に限らず一般の人々は、たいていこれと同じことをしている」と兼好は言います。『徒然草』には、こうした少しスパイシーなエピソードがたくさん載っています。辛いものはクセになるといいますが、『徒然草』もまさにそれです。

現代語訳と原文の両方が載っています。しかも現代語訳と原文ともにフリガナがふってあるので朗読にも向いています。古文の朗読なんて優雅な趣味です。

古典の授業の虎の巻としても十分に使えます。が、文法やテストの点数から解放されて、気ままに自分のペースで古典の世界を味わってみたいという大人の皆さんにこそ読んで頂きたい本です。

以前はおなじくビギナーズ・クラシックスシリーズから古事記の現代語訳を取り上げましたが、このシリーズはいいですね。他にも読んでみたいです。

at 08:55, あーりー, 古典の現代語訳

-, trackbacks(0), - -

らくらく読める平家物語 - 現代語訳

日本史上最初の軍事的スーパーヒーローにして悲劇の英雄となった源義経の活躍が、たっぷり楽しめます。

らくらく読める平家物語
らくらく読める平家物語
島崎 晋(著)

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」

暗記させられましたね。あの平家物語の現代語訳です。平安時代末期に繰り広げられた源平合戦の一部始終が描かれています。登場するのは、平清盛、源頼朝、源義経、木曽義仲、以仁王、後白河法皇など、おなじみのそうそうたるメンバー。

原文は載っていません。現代語訳のみです。地名や人名にはフリガナがふってあるので、とても読みやすいです。

歴史モノを読んでいると、地理や人物関係が分からなくなって混乱してしまうことがありますけど、この本は違います。要所要所で地図や家系図が挿入されていますから、頭を整理しながら読むことができます。

目次を見るだけでも、歴史のワクワクを感じます。

<目次>

1、平家の栄華
2、重盛、清盛を諌める
3、中宮徳子の出産
4、源平合戦の幕開け
5、福原遷都
6、清盛の死
7、一門都落ち
8、平家の巻き返し
9、一の谷の合戦
10、維森の入水
11、壇の浦の合戦
12、平家の子孫絶える
灌頂巻 建礼門院の往生

という具合です。

現代語訳のほかに、解説やコラムもたくさん盛り込まれています。もちろん現代語訳の部分だけを読んでも分かりやすいのですが、合わせて解説やコラムも読むと、より理解が深まるようになっています。

関連書籍
現代語訳 平家物語 上 (河出文庫)
現代語訳 平家物語 下 (河出文庫)
マドンナ古文単語230―荻野文子の超基礎国語塾 (大学受験超基礎シリーズ)

at 22:31, あーりー, 古典の現代語訳

-, trackbacks(0), - -

古事記の現代語訳

古事記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
古事記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

日本で一番古い書物。

とても読みやすい現代語訳でした。神々の時代から、推古天皇の時代までが大きなスケールで描かれています。

現代語訳と原文が交互に載っていて、ときどき解説が挿入されています。写真や絵もあります。

まず面白かったのは、地名の由来です。

日本各地の地名は、ヤマトタケルの冒険に由来しています。ヤマトタケルが敵を皆殺しにして、その死体を焼き払った場所は「焼津」と呼ばれるようになりました。

これが現在の焼津市だそうです。

さらに…

ヤマトタケルが歩き疲れて、足が腫れ曲がって(たぎたぎしくなって)しまった場所は「当芸(たぎ)」と呼ばれるようになりました。

これが岐阜県養老郡の当芸野(たぎの)です。

さらに、

歩き疲れて杖をついた場所は「杖衝坂(つえつきざか)」と呼ばれました。ヤマトタケルはどんどん歩き続けたので、とうとう足が三重に曲がって腫れ上がってしまいました。

これが三重県です。

あちこちにヤマトタケルの足跡が残ってるんですね。そういったことを意識して読むと、すごく楽しいです。

ヤマトタケルの冒険はスリルとアイディアに富んでいて、読む者をわくわくさせてくれます。

冒険の範囲は、西は九州から東は関東・筑波山にまでわたっています。彼は各地で敵と戦って連戦連勝します。

でも、これ、じつは悲しい戦いなんです。

ヤマトタケルは武勇に優れた男でした。そのため父から恐れられていました。父はヤマトタケルを少しでも遠ざけるために、各地に遠征させたのです。

ヤマトタケルの立場は複雑です。父のために戦い、勝てば勝つほど、なおさら父から恐れられ、疎まれる…

戦いに傷ついたヤマトタケルは、現在の三重県鈴鹿郡で力尽き、二度と帰れない故郷をなつかしみながら、ついに死んでしまいます。

ヤマトタケルの話のほかにも、

八岐大蛇(やまたのおろち)の話や、アマテラスの話、そして因幡の白ウサギの話など、たくさんの神話が載っています。

初代天皇である神武天皇の東征エピソードや、日本誕生のエピソードなど、いろいろ紹介されています。

古事記』は本来、上・中・下の3巻に分かれているそうなんですが、この現代語訳はそれらを全部まとめて1冊にしてあります。文庫なのでコンパクトで、ポケットにもすっぽり入りますから気楽ですね。


古事記』史跡案内、『古事記』通観、直系譜なども載っています。調べ物のためにほかの資料にあたらなくていいようになっています。これ1冊で十分。こうした配慮が嬉しいです。

そして。

なんといってもこの本の魅力は、読みやすさです。現代語訳がとても自然でわかりやすく書かれています。現代語訳の部分だけ、字が少し大きめということも、読みやすいポイントかも知れません。

さらに親切なことに、現代語訳も原文も、全部フリガナがついています。ですから、朗読などにもいいですね。

at 06:53, あーりー, 古典の現代語訳

-, -, - -