現代語訳 信長公記 | 感想

 日本の戦国時代がお好きな皆さんにはおなじみの本ですよね。織田信長のことを知るための第一級史料です。それがこんなに読みやすい(しかもリーズナブルな)現代語訳になって登場したのは衝撃でした。

この本を書いたのは、太田牛一です。信長に仕えた武将です。そうそう、太田牛一が『信長公記』を完成させるまでの顛末をドラマチックに描いた小説『信長の棺』
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も良かったです。

『信長公記』は史料として絶大な信頼を得ていますよね。例えば、信長の全国デビュー戦ともいうべき桶狭間の戦い(1560年)について。ずいぶん前までは、信長による奇襲作戦の勝利だと思われてきました。

でも今では、『信長公記』にその記述がないという理由で、奇襲説は否定されています。

つまり、少し乱暴な言い方になりますが、『信長公記』に書いてあれば本当、書いてなければウソ、と言っても良いくらいの戦国史料の王者なのです。

この本には、信長はもちろん、羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、その他、有名なたくさんの戦国武将が登場します。戦いの細かい様子やエピソードが描かれています。

行間から、武将一人ひとりの息吹が聞こえてきそうな一冊です。

at 07:29, あーりー, 歴史教養

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プルタルコス(プルターク)英雄伝

 ナポレオンが愛読し、人生の目標にしたという『プルタルコス英雄伝』です。

この中巻で紹介されている英雄は、アレクサンドロス大王、アギスとクレオメネス、ロムルス、カトー、ティベリウス・グラックス、ガイウス・グラックス、スラの8人です。

中でもナポレオンは、アレクサンドロス大王を熟読したと聞いたことがあります。ナポレオンはこれを読んでワクワクして、自分も将来英雄になることを夢見たのでしょうか。それと同じ本を、ぼくたちもいま読むことができるんですね。

at 07:54, あーりー, 歴史教養

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名将・名参謀 - 人の使い方エピソード

将の器・参謀の器―あなたはどちらの“才覚”を持っているか (青春文庫)
将の器・参謀の器―あなたはどちらの“才覚”を持っているか (青春文庫)
童門 冬二(著)


戦国時代や幕末の
「人の使い方」に関する
エピソードがたくさん載っています。


武田信玄の部下に、
小心者の男がいたそうです。

信玄は、
小心者だからと言って
その男を見捨てたりは
しませんでした。

臆病な性格を生かせる役割を与え、
その男の能力を引き出しました。


「どんな人間にも必ず見どころがある」

適材適所の人事を心がける
信玄の姿勢に感動しました。


他にも、

徳川家康、加藤清正、
蒲生氏郷、豊臣秀吉、
徳川吉宗、西郷隆盛など、

さまざまな人物の
エピソードが載ってます。

「なるほど」と感心したり、
人間的な温かさにジ〜ンときたり、

とても楽しめる一冊でした。

at 08:07, あーりー, 歴史教養

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完全制覇 - 関ヶ原大合戦

完全制覇関ヶ原大合戦―この一冊で歴史に強くなる! (「完全制覇」シリーズ)
完全制覇関ヶ原大合戦―この一冊で歴史に強くなる! (「完全制覇」シリーズ)
外川 淳(著)

豊臣秀吉の病没から、関ヶ原の合戦に至るまでの期間、日本は動乱の時代に逆戻りし、一寸先は闇の状態が続きました。

本書では、この期間の権力闘争を「戦国世紀末決戦」とネーミングして切り取っています。「戦国世紀末決戦」の勝者はもちろん徳川家康です。家康がどのようにして勝ち残り、覇権を確立したのか。そのプロセスを分析した一冊です。

徳川家康は面白い人です。ドサクサにまぎれて力を伸ばすのが、とてもうまい。本能寺の変のときも、あの歴史的なドサクサにまぎれて領土を広げまくりました。

本能寺のゴタゴタが収まる頃には、それまで信長の一同盟者でしかなかった家康は、ちゃっかりそれなりの大勢力に成長していました。

明智光秀をやっつけて一息ついた秀吉は、急成長した家康を見て「あれ? 家康ってこんなに強大だっけ?」とビックリしたんじゃないかと思います。

そういえば。桶狭間のときもそうでしたね。1560年、今川義元の支配下にあった家康は、桶狭間の戦いで義元が敗れると、そのドサクサにまぎれて独立をはたします。

ただし、混乱に乗じて今川方の城を強引に奪うようなことはしません。今川方が城を捨てて逃げるのを待って、無人になった城を拾うというスマートなやり方をとりました。そうすればあとから今川家に「きみ、うちの城を奪ったしょ?」と責められずにすみますもんね。

家康は戦国一のちゃっかりさんです。彼のちゃっかりパワーがもっとも発揮されるのが「戦国世紀末決戦」です。

at 10:35, あーりー, 歴史教養

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草なぎ剛 - 支える人、裏切る人

図解雑学 前田利家 (図解雑学シリーズ)
図解雑学 前田利家 (図解雑学シリーズ)
小和田 哲男(著)

『ぷっすま』が大好きです。味のあるゆるい進行はもちろん、草なぎさんが美味しそうにビールを飲む姿も大好きです。

逮捕のニュースを聞いて、前田利家のことを思い出しました。

本書の78ページには、逆境のときに利家を支えてくれた人のことや、逆に離れていった人のことが書かれています。

利家は人生で2度、大きな逆境を経験しました。どちらのときも、主君に見放された利家を本当に心配してくれた友人は、わずか2〜3人に過ぎなかったそうです。

それまでずっと兄弟のように仲良くしていた朋輩のほとんどが、いい気味だと嘲笑ったり、利家の反応を面白半分に探りにきたりなど、利家に冷たく背を向けたのである。

「人間は悲運に沈んでみなければ、友の善悪もわからない」と利家は語っています。不遇のときにこそ、本当の友だちがわかったんですね。

at 10:04, あーりー, 歴史教養

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中国の歴史 - 史上最高の文化を創造した時代

中国の歴史 中 (2) (岩波新書 青版 713)
中国の歴史 中 (2) (岩波新書 青版 713)
貝塚 茂樹(著)

中国の歴史を解説した本。上・中・下巻の3冊からなるシリーズの、中巻です。

なぜいきなり中巻を買ったのかというと、この時代が一番おもしろそうだったからです。個人的な好みです。

本書で取り上げられているのは、西晋・東晋の時代から、隋・唐・宋をへて、元帝国に至るまでの歴史。「中国史上最高の文化を創造した時代」です。

ぼくは普段、歴史小説や、歴史上の人物のエピソードを集めた本などをよく読みます。歴史を「楽しむ」系の本です。そういうものを読んでいると、ときどき無性に、カッチリとした硬い歴史の本も読みたくなります。そんな渇きをいやしてくれたのが、この本でした。

at 09:12, あーりー, 歴史教養

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兵法 項羽と劉邦 - 漢楚の兵法に学ぶ

兵法 項羽と劉邦―漢楚の兵法に学ぶ (PHP文庫)
兵法 項羽と劉邦―漢楚の兵法に学ぶ (PHP文庫)
大橋 武夫(著)

司馬遼太郎の小説でもおなじみの、項羽と劉邦。この2人の戦いを「兵法」の視点から解説した一冊です。にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

秦末の争乱や楚漢抗争のときに、だれがどのように大陸を移動し、どう兵を動かして戦ったかが、地図をまじえてわかりやすくまとめられています。地図というのは本当にありがたいですね。

ぼくは中国の地名を言われてもピンときません。だから、劉邦が「昌邑→夏邑→陳留→白馬→宛→武関」というルートで咸陽に向かった、と文字で書かれても、は?と混乱してしまいます。

その点、本書では進撃ルートが地図上に矢印で示されています。おかげで「なるほど! 劉邦はこんなにジグザグに進軍したのか!」と瞬時に理解することができます。

張良の作戦についても、そうです。ただ文字で兵の動きを説明されるよりも、本書のように図を挿入して説明してもらったほうが、はるかに分かりやすくて興味が持てます。

小説を読めば人間ドラマも楽しむことができますが、そうではなく純粋に戦術・戦略の面から『項羽と劉邦』の戦いを読んでみたいという方には、便利な本だと思います。古書でしか手に入らない貴重品になってしまったのが残念です。

at 15:46, あーりー, 歴史教養

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レッドクリフ - 何が史実で何が虚構か

今日はテレビで三国志の映画『レッドクリフ Part 1』がありますね。

レッドクリフを観た感想

ところで三国志の映画を見たり、小説を読んだりしていると、どこまでが史実でどこからが創作なのか、ちょっと気になりませんか? そんなときにオススメなのがこちらの本です。以前、古本屋で見つけました。

真説 三国志
真説 三国志
坂口 和澄(著)

よく知られているように、三国志の物語のもとになっているのは、羅貫中が書いた『三国志演義』です。さらに、そのもとになっているのが陳寿の正史『三国志』です。

本書は、原典の原典である正史『三国志』を読み解くことで、英雄たちの実像に迫り、物語世界での虚構をあきらかにしています。にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

例えば(ご存知の方も多いと思いますが)諸葛亮が名軍師だというのは後世の創作で、実際はおもに政治家として活躍していたそうです。

また、小説などでは諸葛亮の死後に謀反を起こしたとされる魏延についても、「反将の汚名は無実だった」としています。

そういう具合に、計105人の登場人物を取り上げて詳しく解説してくれている本なので、映画や小説と見比べながら読むと、すごく面白いです。

at 18:07, あーりー, 歴史教養

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スターリン伝記 - その秘められた生涯

スターリン―その秘められた生涯 (講談社学術文庫)
スターリン―その秘められた生涯 (講談社学術文庫)
バーナード・ハットン(著)

ソ連の独裁者・スターリンの伝記です。ぼくは銀行強盗をしたり、売春宿を経営したり、気に入らない人間をつぎつぎと殺した経験がありません。これからもとくにそういう予定はありません。

だからこの本に書かれていることは、ぼくにとって別世界の話で、インパクトがありました。しかも、これが小説でも映画でもなく、実際にあったことだと考えると、なおさらです。

売春宿の経営について、スターリンは師匠のレーニンから手紙で鋭いツッコミを入れられています。人間による人間の搾取をなくすために革命運動をしているのに、きみが売春婦から搾取してどうするんだ、と。

手段を選ばないスターリンは「殺人と欺瞞と悪知恵」によって、国家の最高の地位を「強奪」します。邪魔者は排除します。師匠のレーニンすら例外ではありませんでした。

スターリンの恐怖政治はしばらく続きますが、わがまま放題にやりすぎたため、あるとき部下の一人に突き飛ばされます。スターリンはテーブルに頭をぶつけてうめき苦しんで、自力では起き上がれなくなります。国家や部下を支配してきたスターリンの「魔術的な威力」が切れた瞬間でした。

やるもやられるも、壮絶な伝記です。

at 09:24, あーりー, 歴史教養

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ナポレオン言行録

ナポレオン言行録 (岩波文庫 青 435-1)
ナポレオン言行録 (岩波文庫 青 435-1)

ナポレオンの手紙、布告、戦報、語録などを年代順にまとめたものです。

英雄はどんなことを考えて、どんなことをしゃべって日々の生活を送っていたんだろう、という好奇心に応えてくれる一冊。

ナポレオンはフランス革命のゴタゴタの中からド派手に飛び出して来て、あっという間に時代の注目を独占しました。

だから、ナポレオンが残した歴史的な言動はよく知られています。でもナポレオンも一人の人間ですから、毎日24時間が「歴史的」だったわけではもちろんありません。歴史の本や教科書には載っていない「その他」の部分が、たくさんあります。

タイムマシンがあれば過去に移動して、歴史上の人物がふだんどんな人間だったのか、ありのままを見てみたい、と思うことがあります。そんなぼくにとって、この本はまさにタイムマシンでした。

at 08:57, あーりー, 歴史教養

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